万年補欠の小柄な高校球児がモノマネ野球で甲子園を目指す
野中ゆたかは多摩川高校の野球部員。万年補欠の選手で得意技は有名選手のモノマネだったが、就任した君島監督に才能を見出され、練習試合で4番ピッチャーに大抜擢される。また周囲の選手たちもゆたかの観察眼によるアドバイスで技術力が向上する。自信を持った多摩川は予選大会では快進撃を続け、5回戦で甲子園常連校である京浜高校にサヨナラ勝ちをすると決勝戦でも勝利を収め念願の甲子園出場を果たす。甲子園では格上の村上学園に勝利するも、続く2回戦では赤井、山口を擁する優勝候補の関大淀川との乱打戦の末、13-14で惜しくも敗退をする。最後は背も伸びたゆたかが主将として新たに甲子園を目指していくのだった。ゆたかのモノマネはメジャーへの先駆者である野茂、京浜高校戦ではピッチャー桑田、バッター清原のPL学園KKコンビ、甲子園ではゴジラ松井でホームランと数多い。もちろんイチローも対象だ。しかもランディ・ジョンソンなどのメジャー選手に落合など往年のプレーヤー、挙句な大学時代の君島監督までと幅広い。これらは単なる猿真似ではなく、ゆたかの純粋に野球が好きな姿勢からによるものである。野球にとどまらず大好きなスポーツ選手がいたら、誰もは一度はフォームや仕草を真似した事はあっただろう。