9
現代の闇と未来を見据えて
戦場から少女二人がケッテンクラートという、キャタピラ式のバイクのような乗り物で旅を続ける漫画(アニメ)です。
これだけ聞くと「どこに楽しい要素が?」と思いがちですが、人類が人類により滅びた世界で、たった2人「生きる事とは何か」「本当に大切なものとは何か」「教育とは」「大人とは」「世界とは」「考えるとは」「生きるとは」という、あらゆる現実に立ち向かい、それぞれ答えを見つけたり、見つけない事を選んだりする様はタイトルに反して非常に濃い内容です。
漫画も短いですが、アニメもショートなので観たいときに気軽に観られるロードムービーのような部分もある為、双方のいいところを取ったような作品です。
戦争で荒廃した世界が舞台で、軍服をきた少女が銃を使ったりサバイバル生活を送る。
そういう類が好きな方も「少女」である事を忘れる程見ごたえがある内容です。
また女性にもかなり入りやすい絵柄と、難しい事(考えれば考える程難しい、哲学的ともいえますが)は特にないので男女一緒に「世界の終末」について「生きること、大切なものとは」を改めて考えさせられる、良い作品です。
言葉が少ないこともあり、世界的にも発信して欲しいと願う秀逸な作品です。