PSYCHO-PASS / サイコパス

PSYCHO-PASS / サイコパス

『PSYCHO-PASS』(さいこぱす)とは、2012年からアニメの放送が開始した日本オリジナル作品。 第1期のアニメ放送で人気を博した『PSYCHO-PASS』は、第2期とつづき第3期が放送されている。 また、映画も4作品公開されるほどに人気のアニメ作品になっている。
舞台は人が犯罪を犯す可能性を犯罪係数として可視化できるようになった近未来。 ドミネーターと呼ばれる拳銃型機械を用いて警察が犯罪係数の高い人々を逮捕・排除する世の中で警察官である主人公の常守朱(つねもり あかね)と執行官の狡噛慎也(こうがみ しんや)や仲間たちが凶悪犯に立ち向かいながらも抱えた闇と戦っていく。管理社会のディストピアのなかでの犯罪者、刑事の物語が描かれており、特殊能力バトルではなく、互いの知能を駆使した「知恵比べ」が中心となる。
アニメの『PSYCHO-PASS』は、漫画の『監視官常守朱』というタイトルを元に作成されており、漫画は全部で6巻ある。 他にもアニメと付随した漫画も発売されている。

elのレビュー・評価・感想

PSYCHO-PASS / サイコパス
10

科学技術の発達から生まれる不安定さを考えさせられる近未来SFファンタジー!

非常に近未来的なSFファンタジーでありながら、ありがちな派手なアクションやハッピーエンドで終わるのではなく、やりきれない葛藤や苦悩もふんだんに盛り込まれた、非常に人間味溢れるストーリーです。
物語の根幹をなすのが『シビュラシステム』と呼ばれる、人間のあらゆる能力等を数値価し、就職先などもそのシステムで適性を判断してしまう、人間を管理する国家システム。さらに、このシステムの最も効果的で恐ろしいのが、犯罪をおかす前に予備犯罪者を逮捕できるようなシステム。心理的数値を測定し、危険な人物を特定、犯罪を犯す前に予備軍を逮捕できてしまうのです。もちろん、実際に犯罪を犯した人物は数値が変わるため、特定可能。そこから予備軍の逮捕や、犯罪者の逮捕に励むのが、現在の日本でいう警察機構、公安局のメンバーたち。
主人公は、シビュラシステムであらゆるエリートコースの職業において適性であると判断された新人公安局のメンバーの女の子。シビュラシステムの絶対性を信頼していた彼女が、元犯罪者で、公安局の執行官(犯罪を犯していなくても犯罪者予備軍として判断され、その後公安局の手駒として働く事を選んだ人たちの事)と共に事件を追いかけていくうちに、シビュラシステムに疑問を持ち始め、そしてそのシステムの正体に辿り着いていく、という物語。
第一期と第二期に別れますが、ここまでが第一期のお話。このアニメの面白くも恐ろしいところは、人間をあらゆる点で数値価し管理してしまうという、将来実現しそうな世界を舞台にしている事。本当にこんな未来が実現したらどうなってしまうのか、深く考えさせられるストーリーです。勿論キャラクターの魅力も素晴らしいです!当初はおどおどしていて、いかにもマニュアル通りに勤務するといった印象の主人公が、自分の意思で動き、成長していく過程は見ていて励ましたくなりますね。アニメにそれほど興味の無かった方でも、これほど深い題材と内容であれば楽しめる事間違いなしでしょう。是非、近未来が内包する恐ろしさとその可能性について、アニメを見ながら考えてみてはいかがでしょうか。