実写化直前、必見の漫画ファブル
ヤングマガジン連載中の南勝久先生の最新作ファブル。南先生といえば、ナニワトモアレと、その続編なにわ友あれ、で一躍漫画界を席巻した、男臭い画力と青春の群像劇を書かせたら一級品の作者。その最新作であるファブル、面白くないわけありません。
主人公の佐藤はいわゆるヒットマン。どんな標的も確実に仕留めるプロフェッショナルであり、ファブルという組織のエースであった。そんな佐藤に時代の流れを勉強させようと、ボスは佐藤に1年の休暇を与え、大阪に送り込むのであった。
とにかくこの佐藤のアクションが見ているこちらをスカッとさせてくれる。強いのはもちろんのこと、世間知らずすぎて笑いの要素が盛りだくさん。部屋では基本的に全裸。寝るときはバスタブの中。起きたらすぐ湯を張り入浴する。テレビではいわゆるスベり芸人であるジャッカルの大ファンで、ジャッカルでしか笑わない。アルバイトでイラストを書くのだが、そのセンスも微妙にヘタウマで何だか癖になる。
そんな佐藤の周りで巻き起こる、ヤクザの内部抗争やヒットマン組織の内部抗争、複雑な人間関係に、何も考えていないようで考えている佐藤と同じくヒットマンであり妹として休暇を帯同しているヨウコが巻き起こす物語。必見。