プレイボール

プレイボール

『プレイボール』とは、『週刊少年ジャンプ』1973年27号から1978年31号にかけて連載されたちばあきおによる野球漫画、およびそれを原作としたテレビアニメ。同作者による野球漫画『キャプテン』のスピンオフ作品である。原作はジャンプ・コミックスが全22巻、愛蔵版コミックスが全11巻、集英社文庫コミック版が全11巻刊行されている。本作は同時期に『月刊少年ジャンプ』で連載されていた『キャプテン』とあわせて、第22回(昭和51年度)小学館漫画賞を受賞した。
前作『キャプテン』のクライマックスで骨折しながらも無理に投球を続けたことにより、まともにボールが投げられなくなった谷口タカオ。タカオは墨谷高校進学後も部活に入ることもなく、弱小野球部の練習風景を眺めていた。そんなタカオを心配してサッカー部のキャプテン相木はタカオをサッカー部に勧誘するが、タカオの中での野球への未練と情熱は薄れることはなかった。そんなタカオの気持ちを察した相木は野球部キャプテンの田所と話し合い、改めてタカオを野球部に入部させる。

liverock-renoteのレビュー・評価・感想

プレイボール
10

高校野球を志す人間のバイブルともいえる作品です。

漫画「プレイボール」は作者ちばあきお氏の作品「キャプテン」において活躍した谷口タカオ君の高校野球編の作品です。
この作品の素晴らしいところは、野球漫画にありがちな非現実的な魔球や変則打法などの描写はなく、極めて現実的なところです。この漫画の主人公である谷口タカオ君は墨谷高校野球部でプレーをするのですが、はじめは中学時代のプレーで指を怪我していて投げられないほどでした。そんな彼が持ち前の頑張りでもって周囲の人間を引っ張り上げていき、徐々に強くなっていく過程が詳細に描かれています。谷口君のいる墨谷高校野球部は1回戦敗退が当たり前であったのに、彼が野球部に入部して以降シード校になるまでの強さをつけていきます。それもいきなり甲子園に出場するような現実離れしたものではなく、試行錯誤をしながら階段を1段1段上るように強くなっていくのです。
この「プレイボール」では「キャプテン」に登場していたキャラクターも多く登場していますので、初めて作品を読まれる方は「キャプテン」とセットで読んでみるのがいいかと思います。この漫画では普通の公立高校の野球部のメンバーがいかにして私立の強豪校とどのようにして戦っていくかが描かれていて、「自分たちもやればできるんだ」という気持ちにさせてくれる素晴らしい漫画です。