ゲームを通して成長していくふたりの「遊戯」の物語
「遊戯王」と聞くと、OCG(カードゲーム)のイメージが強い、という方が多いかもしれません。私もコミックスを読むまでは、そういった印象でした。
しかし、実際にコミックスを読んでみると、物語の序盤はカードゲーム以外にも様々なカードが取り上げられていて、それがまたどれも面白いゲームばかりなのです。TRPGのような本格的なものから、何枚のお札をナイフで刺せるか、というような単純なものまで、様々なゲームを通して友情と絆を深めていく遊戯や、闇遊戯たちの姿にわくわくとした気持ちでいっぱいになります。
もちろん、カードゲームの方も激アツな展開です。どんなに不利な状況に陥っても勝利へと辿り着く闇遊戯の姿は格好良く、そんな彼をすぐ側で見ていた遊戯の心も成長していく過程がグッときます。好敵手の海馬とのデュエルやタッグデュエルも、手に汗握る展開の連続にハラハラドキドキしながら読みました。
物語が進んでいくごとに、闇遊戯の正体についても語られていきます。三千年前のファラオであった闇遊戯(アテム)と神官セトとの因縁には驚かされました。三千年前のアテムには倒せなかった邪神が、友情や絆という大切なものを手にしたアテムには倒せた、というところがまた素晴らしいと思います。邪神を倒した後、ふたりの「遊戯」がそれぞれの未来へと向かうために行った「闘いの儀」についても、感動しました。
様々なゲームを通して成長していくふたりの「遊戯」の物語を、是非多くの方に見ていただきたいです。