時代背景とアイヌの歴史が面白いくらい分かる
友人おすすめで無理やり渡されたマンガだったので、はじめは気乗りがせず、絵があんまり好きじゃないかも…日露戦争後の北海道の歴史なんて全然興味がないと思って読んでいたのですが、敵味方問わず出てくる変態とよぶべき愛すべきキャラクター達が全裸で戦ったり変顔をしたり、銃を打ちながら「勃起!!」と叫ぶようなシーンも多く含まれておりプッと吹き出してしまうような事が多々ありました。
戦いのシーンこそ血が出たり、腸が出たり、耳が削がれたりとありますが、キャラクター一人一人の個性が立っていて全くグロテスクに感じることはありませんでした。また、作品の中ではさまざまなアイヌの伝統料理を紹介をしていてこれも興味深く、例えばチボプサヨ(ジャガイモとイクラのお粥)鮭のチタタプ(顎の肉をネギトロにしたようなもの)等、本当に美味しそうな料理が出てきたと思うと、猟の場面では愛らしいリスや、ネズミ、ラッコ等本来愛でるべき動物を捕獲し新鮮な脳みそを生で食べたり、皮を剥ぐなど調理の詳しい工程も丁寧に載っていて勉強になりました。どの食べ物を食べるときも「ヒンナヒンナ」=食事、食べ物、生き物に感謝というアイヌ語が用いられていてアイヌの人たちの自然への感謝の気持ちが要所要所に散りばめられていてスーッと頭に入ってくるようになってます。北海道の主要都市や網走監獄など私たちが耳にしたことのある場所が舞台になっているためその町の歴史なども学べるようになっています。今は北海道を出て樺太を旅しているので今後の展開にも目が話せないです。