ありえないようで胸をえぐられるようなリアルさ
主演の松岡茉優さんが好きだったのと、綿矢りささんが原作ということで、面白そうだと思い、見に行きました。
恋愛経験の乏しい主人公のヨシカは、中学生の頃から片想いし続けているイチへの想いを駅員さん、近所で釣りをしているおじさん、コンビニの店員さんや、行きつけのお店の店員さんに毎日のように話しています。恋愛経験が乏しくても、これだけ良好な人間関係を築けるなら素敵じゃないか、と思うのですが。いざ、イチとの関係を進めるために計画した同窓会では、SNSのアカウントで他人になりすまして企画、当日は如何にも根暗な挙動不審、挙句の果てに、イチはヨシカのことを覚えていないという…。ここで発覚するのが、今まで話していた街の人との会話や関係性も、全てが妄想だったという衝撃的な事実。こじらせすぎ、痛すぎです。
でも、根暗な部分、好きな人を目で追いかけてしまう気持ち、気を引きたくてずるをしてしまうこと、本当はこうありたいと妄想してしまうこと、自分を気にかけてくれている人へのモヤモヤした気持ち、苛立って親友などにあたってしまう気持ち、どこかに絶対共感出来ると思います。だからこそ、フィクションでありながら、胸をえぐられるようなリアルさがある映画だと思いました。女性は共感できる人もいると思いますが、男性から見るとどうなのか、気になります。