からくりサーカス / Karakuri Circus / Le Cirque de Karakuri

からくりサーカス / Karakuri Circus / Le Cirque de Karakuri

『からくりサーカス』とは、藤田和日郎によって小学館『週刊少年サンデー』にて1997年~2006年にかけて連載されたアクション漫画。人間と自動人形(オートマータ)、そして懸糸傀儡(マリオネット)を操る人形破壊者「しろがね」の間に巻き起こる戦いを描いた物語。同時に才賀勝という少年が成長していく姿も描いており、敵との攻防だけではなく、様々な人間模様が同時並行的に進んでいる作品である。

goma_96のレビュー・評価・感想

からくりサーカス / Karakuri Circus / Le Cirque de Karakuri
10

男性ならハマること間違いなし

父親の死により莫大な遺産を手にした少年・才賀勝、ゾハナ病という奇病を患う中国拳法家・加藤鳴海、銀髪に銀の眼を持つ謎の美女・しろがねが主な登場人物。
莫大な遺産を手にし、親族から命を狙われていた勝は、暴漢に襲われていたところを鳴海、しろがねに助けられる。3人の運命が複雑に絡み合い、世界を動かす歯車が今廻り始めた…。唯一の薬は「他人を笑わせること」である奇病ゾナハ病を世に振り撒く、自動人形(オートマータ)の集団「真夜中のサーカス」、これ対抗する人形遣いの集団「しろがね」、これらがキーワードとなり物語は進んでゆく。
”成長”と”心”をテーマにした作品であり、個性あふれるキャラクター達が、物語を通し様々な表情を見せてくれる。主人公達はもちろん、敵となるオートマータ達も個性豊かで、感情移入させられることもしばしば。絵柄が独特なため、好き嫌いは別れるかもしれないが、この物語の壮大さを体験してもらいたいので、是非読んでもらいたい。
閉じていた心が出会いや経験を通して大きく開き、燃えていく勝。大きな心が過酷な経験や現実を通して、閉じてしまっていく鳴海。心は何処にあるのか。勝や鳴海との出逢いを通じ、心を取り戻していくしろがね。人形は心を持つことが出来るのか。複雑かつなんとも不思議な物語を是非、体験してもらいたい。