ロープレの珠玉
この作品はPS(無印)時代にリリースされたため、どんどんとキレイになっていくグラフィックを伴った現存ゲームに比べれば、ヴィジュアル面では劣るかもしれない。けれど、90年代にあれだけの画像が作れたことや、色彩の多彩には本当に脱帽する。それに、音楽がまた素晴らしい。戦闘時の音楽はさることながら、ラスボスがテーマソングを持っているなんて、あれが初めてではないだろうか。しかもラスボスが美形で、どこかぶっ飛んでいることをあわせて考えると、本当にあの音楽は素晴らしい。
ラスボスのことから触れたが、他にもキャラクターたちが皆魅力的なのだ。どこか冷めた主人公や、星のために命を失うこともいとわない女性。他にもたくさん主要なキャラクターがいるのだが、その誰もが魅力的で、かつ、深いものを抱えている。チームではない、敵キャラクターですら、皆が皆、魅力的なのだ。それらに触れながらも、話は進んでいくため、シナリオがまた素晴らしい。
あれほど引き込まれたゲームはなかなかないといってもいい。様々な話を盛り込んでいるにもかかわらず、それでもそれらを上手にまとめ上げ、感動のラストまで持って行っている。ロールプレイングゲームが好きならば、一度はやってほしい作品。