スピルバーグの出世作
アメリカのとある田舎町の道路を舞台に、大型トラックに付け回されるドライバーの恐怖を描いた作品。面白いと思う演出のひとつが、最後まで大型トラックの運転手の顔がわからないこと。最近、日本でも報道される「あおり運転」なるものを40年以上前に予見(?)していたスピルバーグ(原作はリチャード・マシスンだが)の先見の明は、特筆に値するものだと思います。
ストーリーはシンプルなものですが、これだけのシチュエーションで映画を一本撮るスピルバーグの手腕には脱帽モノです。この映画は小学生のときに観ましたが、子どもの視点でも難しくなく、十分楽しめます。この映画が、カーアクションの名画が幾つか創られたキッカケだったのでは、というのは穿った意見なのでしょうか。
また、ある映画評論家がこの大型トラックは我々の人生にある不安というものを象徴しているのでは…と論じたことに大いに共感したのを憶えています。大人になると子供特有の屈託のなさがなくなってしまい、人生に対して脳天気でいられなくといったこともまた、事実なのでは。
最後に…この作品とは対照的な、大型トラックの視点から描いたペキンパーの「コンボイ」と見比べると、また面白いのでは?とオススメさせていただきます。
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