長年にわたり愛されるべき漫画
「スラムダンク」は1990年に発行された高校のバスケットボール部を舞台にした漫画。
日本ではマイナースポーツであるバスケットボールを題材にしたり、30年近く前に発行された漫画ではあるが、いつの時代の人でも楽しめる作品。
高身長で運動神経は抜群だが、バスケットボール初心者の主人公・桜木花道が成長し、全国大会を目指すという、どこにでもありそうな青春スポーツ漫画。大筋のストーリーは王道ではあるが、一見、地味に見えるキャラクターでも魅力的な個性を持っていたり、単純明快な普通の台詞でも名言になってしまう不思議な魅力を持っている。その中でも主人公のチームである湘北高校バスケットボール部の魅力は群を抜いている。選手・監督・マネージャー全員の個性が強すぎる。そのため、どう考えてもチームとして一つにまとまるとは思えないどころか、個々人がまとまろうという意思がないのではと感じてしまうほどである。それでも、それぞれの長所が、みんなの短所を補い合うチームバランスがいいので、個々それぞれが成長するとチームも成長していくのが魅力的。
多様性を重視する現代社会においても、発行から30年以上たったこの作品が楽しめるのは、個々の長所に焦点を当てても魅力のある作品だからだと思う。また、キャラクターそれぞれのバックグランドも描かれているので、誰かしらに共感を持てるのが、多くの人に楽しまれる理由だと思う。