アルテという漫画について
時は16世紀初頭フィレンツェ。貴族の娘である「アルテ」は、父親を失い、お嫁に行くか、修道院に行くかの選択を母親から迫られていました。それは、16世紀初頭のほとんどの貴族娘たちの教育は、礼儀作法、読み書き計算・裁縫・楽器などであり、女は家に居て男の言うことをよく聞き、子を産み育てることが仕事であり、自由の無い生活でした。アルテは、その教育の中に絵を描くことがあり、暇さえあれば絵を描いていました。ところが、父を失い選択を迫られた彼女は、「自分の好きな絵を描いて食べていく」という、当時では考えられない行動に出ます。数々の工房を回り、雇ってもらえそうなところを探しますが、「女」というだけでアルテの書いた絵を見る事すら拒みます。彼女は、自ら女の証である長い髪をバッサリと切り捨て暴挙にでたところで、小さな工房で一人親方として生きる「レオ」に弟子になるテストを受けさせてもらえることに。レオから難題を言われ、何度も弱気な気持ちになりながらもアルテは、最後までこなします。彼女を突き動かした「怒り」の衝動に、自分自身の力で生きていくという強い意志を再確認し、晴れてレオの弟子として第一歩を踏み出し始めようとします。