奇想天外な神と仏の日常生活
ブッダとイエス、二人の主人公が立川で長期間バカンスを過ごす様子を漫画にした作品です。神と仏が一緒に過ごすという発想そのものが意外性を含んでいますが、それぞれの宗教観や伝説などが見事に融合している点が評価できます。それでいて、勉強マンガのようにならずコメディテイストの面白さがあり、軽く読める内容が高評価のポイントです。
主人公を取り巻く周囲の人々も、立川市の市民だけでなく、12使徒やブッダの弟子、悪魔や伝説上の生き物など様々で、歴史や哲学の授業で習うような固有名詞もバンバン飛び出します。子供はもちろんのこと、教養のある大人でも面白く読める本だと思います。
少し気になることといえば、本来のそれぞれの宗教の信者の方は受け入れられるのかという点ですが、私自身はクリスマスも初詣もお盆も何でもござれな無宗教のため気になりません。おそらく、多くの日本人がそうなのではないでしょうか。
近頃の青年漫画に多い、ちょっとした下ネタや下品な表現は全くなく、どこまでも純粋なイエスとどこまでもストイックなブッダの日常生活が垣間見える作品になっています。幅広い世代に親しまれる作品であることを自信をもって薦められる1冊ですので、ぜひ手に取ってみてください。