日本語ロックの底力
言うまでもなくロックの本場は西洋であり、わかりやすい例えをするならば青い目をした外国人が、どんなに圧倒的な歌唱力をもってして日本の演歌を歌っても滑稽に映るだろうが、彼らのハードロックには間違いなく「日本語の持つ美しさや繊細さ」または「凄み」が生かされており、また確かな技術に裏付けられた抜群の演奏力は、テクニック至上型のハードロックの為のそれではなく、あくまで心から発生するエモーショナルな感性を表現する為に必要だった物であると感じます。
一見一聴するとシャープで暗い世界観か?と思いますが、聴くほどにその音空間を支配する「黒色」のイメージは、あくまで絶望と背中合わせのロマンティシズムである甘い薔薇色が極まりに極まった結果のダークネスなのだと気付かされる事でしょう。この人たちはキャリアも長く当然それなりの年齢ではありますが、ライブパフォーマンスは素晴らしい物があり、特にバンドのメロディーの要を担っていると思われるギタリストのYOUのアドリブは、毎回凄じく冴え渡り、それはよくギタリストにありがちな弾きまくり見せまくるそれではなく、あくまで楽曲の良さを生かしつつ気合いと気持ちの乗ったプレイを聴くことが出来ます。歌詞カードなどをじっくり読みながら、気持ち的には正座して聴きたいバンド。