医療マンガとして最高峰
手塚治虫の絵というのは、かわいらしいと言った方がいいような丸みを帯びた画風なのですが、ブラックジャックに関しては、見れば見るほどなぜかかっこいいです。絵に加えて内容も1話完結で読みやすく、最後に読者に生命について考えさせるような終わり方をすることもあります。またピノコがかわいらしいです。ブラックジャックを本当に愛しているのが読んでいて微笑ましく、漫画の中の女性キャラのうちで一番好きなように思います。ピノコが題材の回は本当に面白く読めて、中でも『人生という名のSL』では、大人になったピノコが出てきて、ちゃんとブラックジャックの奥さんとなっています。それ以外に関しても、とても楽しく読めます。
気に入っている話は幾つもありますが、名医だというのに患者の体の中にメスを忘れてしまう話や、法外な価格で手術を請け負うのにも関わらず、手術料を1円も受け取らないという場合もあります。猫などの動物を手術することもあります。アニメではラルゴという犬がずっと飼われて出てきますが、漫画では最後に命を落としてしまうという回もありました。その最後のコマが物悲しい。アニメと比べると暗い雰囲気はありますが、それもまた独特でいいように思います。