奇跡の作品B級ホラーの金字塔
若者が夏休みに旅行に行った先でひどい目にあう、というとてもありきたりなストーリーなのですが、この作品には他では味わえない言いようの無い魅力が宿っています。
まず特筆すべきが小道具、セットの素晴らしさ。
冒頭に出る死体の人形?や本物の動物の死骸、骨を使った意味不明な小物達。この作品の小道具達は今のCG技術では感じることの出来ない「不快感」や「不快感」を強烈に感じさせてくれます。
そして過酷な撮影環境がもたらした最高の演技、空気感。この作品、超低予算で作られている為、殺人鬼の衣装が1着しか用意出来なかったと言います。しかも、汚れなども計算されて作られている為、洗う事が出来ず真夏の撮影中ずっとそれを着続けなければならなかったようです。
他にもヒロインの口をふさいだ雑巾はその辺に捨ててある適当な物を使用したとか、猛暑の中27時間以上撮影が続けられたとか、極めつけはとある人物が自分の手を嬉しそうに切るシーンが有るのですが小道具の不調でナイフから血が出なくなってしまい。実際に自分の手を切る事になってしまったのです。
そんな過酷な撮影がホラー映画というジャンルにもたらした影響はとてつもなく大きかったようで画面越しでも腐敗した臭いが伝わって来るかのような感覚にさえ陥ります。B級ホラーの入り口にも、最近のホラーしか観たことが無く昔の映画も観てみたいという人にもお勧めのホラー最高傑作です。