知ってるはずなのに全く知らない世界観!
日露戦争、新選組、アイヌ、北海道、熊とどれも皆知っているワードであり、実際の日本の歴史をベースにした話なのに、今までされてない所にフォーカスされており、とても新鮮な漫画作品です。
あらすじは、金塊の隠し場所を見つける為に暗号化した刺青を入れた脱獄囚達を探し出す、という明治時代末期が舞台のもの。仲間になる者、裏切る者、邪魔する者と様々な思惑を持ったキャラクターが出て来ます。
この作品で印象的なのは、細かな描写のアイヌの文化です。
ヒロインのアイヌの女の子が語るアイヌ文化は、信仰・食事・生活様式など多岐に渡り、その神秘的で目から鱗の内容に興味がつきません。
この作品を知る前に阿寒湖周辺に旅行をしたのですが、当時はアイヌ文化に興味が無く立ち寄らなかったので、今度改めて阿寒湖のアイヌコタンに行きたくなりました。
単行本の巻末には多くのアイヌに関する参考文献が載っており、作者の勉強っぷりが窺えます。
そして、何よりキャラクターが皆魅力的です。
それぞれ理想を持った芯の強い人物達で、簡単に善悪では分けられない所が物語に深みを与えています。
主人公の杉元は、普段は三枚目キャラですが戦いに強く男気があり優しさも持ち合わせて文句なしにカッコイイ!
そんな主人公は、日露戦争に出征した作者の曽祖父と同じ名前だそうです。
脱獄王や凄腕スナイパー、マタギなどバラエティ豊かなキャラが出て来ます。その上を行く脱獄囚達のキャラも必見です。