勉強にもなる!
この作品は、人の体内が舞台であり、登場人物は擬人化された細胞たちです。
擬人化作品はたくさんありますが、アニメを見て勉強にもなってしまう作品はそうはありません。登場人物の名前がそのまま細胞の名前になっているので、覚えにくい名前もキャラと合わせるとすんなりと覚えられてしまいます。話の所々で入る、細胞の働きの詳しい説明があるのですが、その部分は小学生くらいの子供には少し難しいかもしれません。しかし、それが理解できなくてもストーリーはもちろん理解できますし、その細胞がどんな働きをしているのかもわかるので、全く問題なく見ることが出来ると思います。
実際、高校生の息子の学校では、教材としてこのアニメが紹介されたそうです。
擬人化された細胞たちが、ひとつの国のように表現された人体の中で、それぞれの仕事をひたすら一生懸命に頑張るストーリーなのですが、がん細胞に焦点を当てた話があり、この話にはなんだか考えさせられてしまいました。それまでの話の中でも、体内に侵入してきたウイルスや雑菌を免疫細胞が攻撃してやっつけてしまうという話は何度もあったのですが、このがん細胞というものは、他から侵入してきたわけではなく、コピーミスによって生まれてしまった細胞なので、がん細胞たちが『ただ生まれて来ただけなのにどうして殺されなくちゃならないんだ!』と抵抗する場面があるんです。このシーンには、もちろん自分の体内にがん細胞なんていてほしくないのですが、がん細胞がかわいそうで、悲しくなってしまいました。こんな風に、あっては困る病気にさえ思わず感情移入してしまう『はたらく細胞』は最高に面白い作品だと思います。