彩雲国物語

彩雲国物語

『彩雲国物語』とは、雪乃紗衣によるライトノベル及びそれを基にした漫画・アニメ品である。原作は角川ビーンズ文庫より2003年10月から刊行されており、2006年4月からアニメ放送が開始された。またライトノベルの挿絵を担当していた由羅カイリにより、2005年7月から漫画の連載も始まっている。「彩雲国」という架空の国で、「官吏になりたい」という夢を抱く紅秀麗がその願いを実現させ、様々な困難を乗り越えていく中華風ファンタジー作品である。

youkaのレビュー・評価・感想

彩雲国物語
10

壁にぶつかったときに見てほしい!

物語の世界観は中国調のファンタジー。
女性は政治に参加できない時代。完全な男尊女卑の世界観。その世界の主人公の少女は名家の生まれだが、現在はとても貧しい家。その為、少女はアルバイトを掛け持ちする生活。そんな彼女の夢は国の政治を担う官僚になること。それはこの時代ではかなわない夢。叶わない夢を封印しつつも、子供たちに学業を教えながら彼女は「学ぶこと」を続けていた。その彼女に転機が訪れる。彼女は家柄と才を買われて、貧しい家を救うために金と引き換えに王の妃候補として王宮に行くことになる。本当は官僚として憧れた王宮での生活が始まる。しかし彼女の相手である「王」は国の統治に関心がなく、やる気が無く、妃候補にも関心が無い。いつまで経っても王に会うことさえできない何もすることの無い生活に彼女は痺れを切らしてしまう。そんな彼女は男の子として王宮で官の見習いとして二重生活を始めることとなる。憧れた官としての仕事を始める彼女。ハードな仕事を彼女は持ち前の努力で全てを諦めずにこなしていく。男の子として仮の姿で働く彼女を周りの人間も高く評価していく。そこに女性としての甘えはない。ただ、憧れた官の仕事を出来ることに感謝し、もっと多くのことを学ばなければいけないと学ぶ。そんな彼女は「王」に怒りが芽生える。女性だから諦めるしかない自分が無力な自分には出来ないことを「王様なら出来るのになぜしないのか!」諦めない彼女の姿が周りをどんどん変えていくを是非見てほしい。