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思いがけず秀作なアニメ「灰と幻想のグリムガル」
目覚めたら異世界だった。ラノベによくある始まりですが、しかし主人公のハルヒロはじめ、全員元の世界の記憶もなく、ここがどこなのか、なぜ来てしまったのか、ということも一切説明がありません。ただ彼らはこのグリムガルという世界に来て一生懸命に生きていくだけ。みんなヒーローでも勇者でもなく、ゴブリン1匹倒すのにも、全員でかかっても倒せない。一番しっかりしていてチームのリーダーのマナトの「これは命のやりとりなんだ!」という叫びが胸に響きます。
スカッとするようなアニメではなくて、でもチームのみんなが生きるのに一生懸命で少しずつ成長していく姿に感動します。異世界なのにすごくリアルに感じました。
そのマナトは途中で死んじゃうんですよね。ショックでしたー。涙出ました。しかしそれがさらに新しい出会いを生み、チームにメリイがやって来ます。トラウマを抱え心を開かないメリイ。マナトが死んじゃっただけでも大変なのに、この辺りはハルヒロ頑張れって感じですね。
主人公のハルヒロはほんとにごくごく普通の男の子で、それが逆に親近感もあり新鮮でした。水彩タッチの作画が美しく、空気感が伝わってくるような異世界の風景を見せてくれます。なぜか挿入歌がとても多くて、なにかというと挿入歌が流れてました(笑)地味ですが秀作です。
二期の話が出てこないのが残念です。