キャビン / The Cabin in the Woods

キャビン / The Cabin in the Woods

『キャビン』(原題:The Cabin in the Woods)とは、2012年4月に制作されたアメリカのSFホラー映画。日本では2013年3月に公開された。監督はドリュー・ゴダード、脚本はドリュー・ゴダードとジョス・ウィードンが担当している。週末を過ごすため、人里離れた山小屋(Cabin)にやってきた男女5人の大学生。彼らはそこに地下室があることに気づき、その中で奇妙な古物や遺物を発見する。それに触れた結果、邪悪な力が解き放たれ、大学生たちは想像を絶する恐怖に襲われる。本作の特徴は、B級ホラー映画の要素がふんだんに取り入れられているという点である。また、有名なホラー映画に関するオマージュが多数見られることから、ホラー映画好きからの評価が高い作品だ。

elのレビュー・評価・感想

キャビン / The Cabin in the Woods
10

ホラー映画を見てれば見てるほど楽しめる!終盤の畳み掛けがすごい異色のホラー

大学生の男女5人組が知り合いの別荘を借りて楽しい週末を過ごすはずだったが、そこはいわく付きの小屋だったー…なんてよくあるホラー展開ですが、この映画はその「ホラーのお約束」を存分に練りこんだ作品です。それもそのはず、この別荘は人為的に作られたお化け屋敷で、5人組の大学生はこの小屋を作った組織によってここへ向かうように仕向けられています。そしてその組織は世界を守るために彼らを見世物にし、1人ずつ殺して生贄とすることが仕事です。しかし組織が直接手を下すのではなく、幽霊やゾンビ、クリーチャーに襲わせて殺すのですが、何に襲わせるかは見世物にされている5人が気付かないうちに自分たちで選んでしまいます。
地下室に置いてある、クリーチャーに関係する物を品定めしている時はドキドキ感があって…でもホラー映画に詳しい人ならここでニヤッとすることでしょう。

この映画はホラーのお約束はもちろん、他作品のオマージュなども所々に散りばめられています。ちなみに1番最初のオマージュは「ファニーゲーム」と酷似したタイトルフォント。ホラーファンなら開始早々から笑ってしまいますね。他にも「死霊のはらわた」「悪魔のいけにえ」「ヘルレイザー」「IT」「シャイニング」など多数の作品のオマージュをしています。特に物語終盤のクリーチャー倉庫や殺戮シーンは、ホラーファンなら一時停止して自分の知っているものを探してしまうのではないでしょうか?
そしてこの殺戮シーンがまたこの作品の1番の見どころと言っても過言ではありません。今まで組織の思うように操られて、痛めつけられ、友達を殺されて、そんな主人公たちの必殺の復讐シーンです。悲惨な場面なはずなのにどこかスカッとし、エレベーターのチンッというその場に不釣り合いな音が笑いを誘います。
ホラー映画といえば後味が悪かったり、意味深なまま終わったり…というものが多い中で見終わったあとで充実感のある映画になっています。身の毛もよだつようなホラーが見たい!という方には恐怖感が足りないかもしれませんが、ホラーファンにはぜひ見てほしい1本です。