アニメ化は間違いないでしょう
ジャンルとしては恋愛漫画でしょう。しかし、多くの恋愛漫画と違うであろう点は、「主人公もヒロインも、相手が好きだと認めていない」点です。
秀知院学園の生徒会長白銀御行と副会長四宮かぐやはお互い意識しあっていますが、恋愛は好きになった方が負けだと思っており、プライドの高い二人はいかにして相手を告白させるかを手探りあっています。
この漫画の面白いところのひとつは、優秀な頭脳が(失礼ですが)外部から見てくだらないことに使われている点です。
例えば、二人でトランプをする回。「勝った方は負けた方のいうことをなんでも聞く」というルールでババ抜きを提案します。しかし、そこに作戦が。お願いの条件は紳士的であることで、紳士的かどうかの決定権はかぐやにあります。となれば白銀が勝ってもお願いの内容は制限され、つまりそれはかぐやに誘導されているということになります。白銀はゲームの途中でそのことに気づきます。結局は勝利した白銀は「かぐやの持っている2枚の映画チケットのうち1つをもらう」というお願いをします。その狙いは、もう1枚はかぐやが自由に使っていい、一緒に見たいならお前の意思で映画館に来いという、打算的なものでした。
日本有数の名家出身のかぐやと、父親の会社が倒産し金銭的に苦労している白銀。二人のバックグラウンドの相違から生まれる勘違いもうまれたり、ほかにも個性的なキャラクターが勢ぞろいだったり。笑いあり、時にシリアスありの、一話たりとも飽きさせない恋愛漫画、強く推します。