からくりサーカス / Karakuri Circus / Le Cirque de Karakuri

からくりサーカス / Karakuri Circus / Le Cirque de Karakuri

『からくりサーカス』とは、藤田和日郎によって小学館『週刊少年サンデー』にて1997年~2006年にかけて連載されたアクション漫画。人間と自動人形(オートマータ)、そして懸糸傀儡(マリオネット)を操る人形破壊者「しろがね」の間に巻き起こる戦いを描いた物語。同時に才賀勝という少年が成長していく姿も描いており、敵との攻防だけではなく、様々な人間模様が同時並行的に進んでいる作品である。

NNN3のレビュー・評価・感想

からくりサーカス / Karakuri Circus / Le Cirque de Karakuri
8

絡み合った伏線は正に「からくり」

学生の時にちょこちょこ読んだことがありました。アニメ化されたのを機会に全巻読み直したのですが、非常に面白かった。
全巻40巻を超える大作なので若干尻込みしてしまいましたが、読み始めると次が読みたくなる怒涛の展開で、読み終えるタイミングが分からない。
最終章一歩手前が若干ゆっくりしたペースで、最終章は若干駆け足なペース。
しかしながらも見事に収束していくストーリーはカタルシスを覚えるほど。
些細な事件からスタートした物語がドンドン広がりを見せ、様々な魅力的なキャラクターが登場し、そして綺麗に終焉を迎える流れはサーカスのよう。
昔から名作と名高いの評価があるのも頷ける。
イッキ読みをしたせいか、ダラけている、などと評価されている章も特に苦も無く、若干丁寧な進み方だなと思った程度で駆け抜けるように読めた。
ばら撒く様に撒かれた布石が、絡み合う様に様々な複雑な伏線となり、全てが繋がっていく快感は記憶を一度消して読み直したいほど。
読破後に全てを読み直す楽しみも多く、何度も何度も読み返したくなる様な名作。
同じ作者の「うしおととら」が少年漫画的展開を続けるのと違い、どこまで作者が初めから想定していたか分からないが、綿密に組み合わされたストーリーは文字通り「からくり」。
名シーンも非常に多く、是非読む事をオススメしたい名作。