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死や老いを考えさせる映画
『ベンジャミン・バトン数奇な人生』はアカデミー賞にノミネートされたブラッド・ピッド主演の映画です。
80歳の老人の姿で生まれた赤ん坊が、歳をとることに若返っていきます。
舞台は1918年のイギリス。主人公のベンジャミンが多くの人間と関わり、戦争や恋を知り、人として成長する一方で、自分は普通の人間とは違うことに苦しみながら生き抜く物語です。
この映画を見て、私は老いとは身近なものにあり、若さもあっという間で儚いことを感じました。老人だったベンジャミンは、同い年くらいの女の子と恋をして結婚まで至りますが、パートナーが老いる一方、自分は若返り、自分の子供を成長する姿も見れない苦しみは観ていて悲しくなります。
また最後のシーンの少年まで若返るとベンジャミンは記憶喪失になります。これまでの人生を振り返ると何を起こったか思い出せないとベンジャミンバトンの隣に座る老いた女性。ベンジャミンの奥さんはその言葉を聞き自分との青春時代の思い出まで忘れてしまったと思い悲しそうな顔が印象的でした。
この映画の魅力はブラッドピッドが年老いた老人から青年までの姿を演じているのが見所です。メイクの技術の高さやブラッドピッドの演技もまたこの映画の魅力のひとつでしょう。