大人から子供まで楽しめる名作
「宇宙よりも遠い場所」=南極です。
作品名は、元宇宙飛行士の毛利衛さんが南極の昭和基地に招待された際に、宇宙までは数分で到達するのと比較して南極へ到達するのに何日もかかることを評した「宇宙よりも遠いですね」に由来します。
内容としては、それぞれの事情を抱えた4人の女子高生が、南極探検隊の一員となって昭和基地に行く、というものです。
特に印象に残った点は2つあります。
一点目は南極に行く4人のうちの一人、小淵沢報瀬のエピソードです。
彼女の母親は過去に南極探検隊の一員であり、探検中の事故で行方不明になっているという背景があります。彼女が南極に行く目的は「母親の遺品を見つける」というものであり、南極で最後には遺品のノートパソコンを見つけるのですが、それまでの彼女の心境の変化がつぶさに描かれており、遺品を発見するシーンでは私は思わず引き込まれ、涙ぐんでしまいました。
二点目は、同じく南極4人組の一人、三宅日向のエピソードです。
彼女は高校の陸上部でイジメのような目に遭い、中退してアルバイトをしているところを、主人公の玉木マリに誘われて南極行きの一員となります。本作品を見た当時、私も理由があって仕事を辞めていた時期だったことから、似たような?境遇の彼女の心の動きに同調し、見せ場のシーンではこれまた思わず涙ぐんでしまいました。
それ以外にも、南極探検のスケールの大きさなどが随所に描写されており、
大人から子供まで楽しめる作品だと思います。