不思議な曲調と攻撃的な歌詞が魅力のバンド
PIERROTはキリト、アイジ、潤、KOHTA、TAKEOをメンバーとする5人組V系バンドで、90年代終盤から00年代中盤にかけて活躍しました。10年代に入って期限付き再結成もしています。
彼らの魅力は、他のどのバンドにも真似できないような不思議な曲調と、キリトが生み出す攻撃的な歌詞です。曲調はきれいでメロディアスという訳では必ずしも無いのですが、特に90年代~00年代初頭の楽曲は予測しにくくクセのあるメロディーとリズム隊の変則的なビートにより大いに印象的なものとなっています。
また、キリトの歌詞は誰もが思ったり感じたりしていながら誰も言わないような世の中の暗部を抉り出したものとなっており(少年犯罪の加害者への待遇、虐待、強国の途上国に対する対応など)、聞く人によっては不快に感じるかもしれませんが一方で痛快さを感じる人も多いでしょう。
00年代中盤からの彼らの音楽は、変則的なビートよりもソリッドなロック調のものに変わっていきますが、これも彼らの到達した答えなのだと思わせてくれるような充分な説得力を持ったものです。
同時期に活躍したDir en greyと比べると楽曲の触れ幅は少ないと言えますが、PIERROTには独自の世界観があり中毒性があるので、邦楽ロックにハマりたい人に特におすすめです。