SUPER BEAVER / スーパービーバー

SUPER BEAVER / スーパービーバー

SUPER BEAVERとは、2005年に結成された4人組ロックバンド。2009年にメジャーデビューし、2011年にインディーズへと活動の場所を移した。順風満帆に見えた彼らには様々な苦労があった。だが自分たちのやりたい音楽と向き合った結果、今でも日本のロック界を走り続けている。2020年に結成15周年を迎え、同時にメジャー再契約を発表。今までの経験と日本語をフル活用した真っ直ぐな歌詞は、彼ら最大の魅力である。

takuya19959のレビュー・評価・感想

SUPER BEAVER / スーパービーバー
9

不器用なほど真っ直ぐで熱いバンド

「お世話になります。」
彼らがテレビ番組などで楽曲を披露する際、必ずと言っていいほど口にする言葉だ。これだけで人柄が分かってしまうのではないだろうか。
SUPER BEAVERは、ボーカルの渋谷、ギターの柳沢、ベースの上杉、ドラムの藤原の4人からなるバンドグループだ。彼らの楽曲はとにかく歌詞が真っ直ぐで、遠回しな言い方や比喩表現があまりない分、ストレートに心に響く。「ありがとう」「ごめんね」「生きていたい」「人生は自由」「あなたが好き」など、使われているのは本当にありふれた言葉なのにこんなにも胸が震えるのはなぜなのか。それはきっと、メンバーが奏でる音、渋谷の力強い歌声、そして何より全員の熱い眼差しに乗せて、彼らの温度感そのままに我々に届けてくれるからだろう。だからこそ彼らの音楽は、老若男女問わず魅了する。
そんな彼らもたくさんの苦労を乗り越えてきた。思うように売れないことへの焦燥感、上からの酷い言葉の数々、ストレスによる心身の限界、そしてメジャー落ち。しかしそれでも彼らは自分たちの音楽を諦めはしなかった。強く拳を握りしめたのは決して振りかざすためではない。茨の道をただひたすらに、仲間とかき分けて進むためだ。
そうして着実に実力と人気をつけ、異例のメジャー再デビューを果たした。そんな自分たちの手で掴み取ってきた結果を、それでも彼らは“人との縁、出会いのおかげ”だと言う。音楽を愛し、音楽を信じ、人を愛し、人を信じる。そんな彼らが生み出す音楽を聴くと、もっと素直に生きてみてもいいのではないかと思うと同時に、当たり前の大切さにいつも気づかされる。そして、生き方までも教えてくれるのだ。上手く生きていく方法ではなく、自分を生きていく方法を。
最後に。音楽にも人それぞれ好みはあるが、是非一度SUPER BEAVERの楽曲を聴いてみてほしい。自分にとって必要な音楽が必ず見つかるはずだから。