引き込まれる世界観とストーリー
中国を連想させるような艶やかな色使いや世界観、後宮や花街における人間関係、政略の渦の中において、主人公のドライさと聡明さが良いアクセントとなり、とても見応えのある作品でした。
主人公の周りで不可思議な事件が起きていきますが、ストーリの伏線をしっかり回収しつつ可決していく様子が気持ちよさもありつつ楽しめました。
また、真相を明らかにしすぎないところも想像力が掻き立てられ、とても面白いポイントです。
主人公を取り巻く人間関係についても、いわゆる後宮の男女の泥沼恋愛劇という内容ではなく、ストーリーを追うごとに変化する感情の機微が丁寧に描かれているので、何度も繰り返して見返したくなる作品です。
全体を通して、テンポ良くストーリーが進み、挿入されているBGMや役者さんの演技力いずれにおいても最後まで心地よい印象を受けました。
日本の大奥の様な世界観が好きな人にはおすすめで、どちらかといえば女性が好む様なストーリーかと思います。
薬学、歴史や後宮、花街などによる専門的な事前知識などなくても楽しめました。
非日常の世界を覗き見するような、それでいて稚拙に張り巡らされた縄を少しずつ解いていくような気持ちよさが癖になります。