これぞザ・日常系なマンガ作品!
この作品は、「まんがタイムきらら」(芳文社)に連載されている作品で、2013年にアニメ化もなされています。簡単なあらすじとしては、野々原(ののはら)ゆずこ、日向縁(ひなたゆかり)、櫟井唯(いちいゆい)は、とある高校の「情報処理部」(硬派な名前とは裏腹に3人がその日決めた「テーマ」をインターネットで調べるだけの部活動)に所属する女子高生。この3人を中心に、学校での休み時間、部活動、3人の内の誰かの家などを舞台に、取り留めのない会話や雑談が交わされ、まったりとした日常が続いていく…という作品です。
この作品の一番の面白さは、主人公であるゆずこ、縁、唯の3人による息の合ったボケとツッコミのマシンガンのような応酬です。ゆずこの突拍子もないボケ→縁がボケに便乗→唯がツッコミを入れるという流れが基本ですが、縁が変化球のようなボケを突然入れてきたり、唯が2人のボケに悪ノリして加わったり、逆に2人からツッコミを受けたりする場合もあります。3人の立場が話によって変化することで、ストーリー展開がワンパターンに陥ることがない点がこの作品の魅力なのです。また、部活動の場面で3人がインターネットで得た情報をそれぞれ語るシーンがあり、ちょっとした豆知識(トリビア)が増えるという利点もこの作品の魅力です。
冒頭でも述べましたが、日常系作品を数多く連載している同誌の中で、この作品は「日常系の王道を行く作品」です。バトル、ファンタジー、SF、恋愛などの非日常的要素を含む作品やシリアスなストーリー展開の作品を好む方には、物足りなさを感じるかもしれません。深く考えることなく作品を読み進めていきたい方(シンプルな作品が好きな方)、様々な要素が絡み合う作品の合間に日常系作品を読んでいきたい方(ちょっとした息抜きに日常系作品を読みたい方)にオススメしたい作品です。