2
終わったときにすごいモヤモヤする
石原さとみさんが主演で、さすがの演技力。失踪した娘を探すシーンや号泣シーン、途方にくれたり、ときには狂ったように叫んだり、観るものを映画の世界に引き込みます。
主人公の娘の失踪がテーマですが、現実世界でもよく起こっており、自分も決して他人ごとではないからこそ、主人公の感情に自分の感情を重ねながら観ることができます。また、失踪した娘をテレビの報道番組で伝えていくスタイルで、報道番組の裏側も垣間見ることができ、日本の報道のずさんさや自分本位さに少しいらだちを覚える場面もあります。
必死に娘を探す主人公とどんどんその事件を忘れていく世間。その切なさやギャップに心いたたまれなくなると同時に、一般人の無力さについても考えさせられます。1人の失踪をめぐり、奥さんの目を盗んで助けてくれる人や募金をしてくれる人、冷たい目線を向ける人や同情もしてくれない警察官など、人のあらゆる感情に触れることができる映画です。
映画の中盤まではこのような多くの展開があり、ラストがどのように締めくくられるのかすごく楽しみだったのですが、ラストはすごく曖昧で、結局どうなるのかといった答えがないまま終わったので、途中までが良かったからこそ、消化不良でモヤモヤが残る作品でした。