十二国記 / The Twelve Kingdoms

十二国記 / The Twelve Kingdoms

『十二国記』とは、小野不由美による小説、及びそれを原作とするアニメなどのメディアミックス作品である。女子高生の中嶋陽子は、人の顔色を気にして生きてきた。そんな陽子の前に、麒麟の景麒を名乗る青年が現れ彼女を王と呼ぶ。陽子は本来の故郷である十二国世界へ渡り、様々な戦いを経て王になる覚悟を決めるのだった。ある者は権力とそれに伴う責任に向き合い、ある者はコンプレックスに向き合って成長を遂げる。古代中国風の異世界を舞台にした異世界ファンタジーでありながら、不思議なリアリティを持つ作品である。

s-yagiotokoq6のレビュー・評価・感想

十二国記 / The Twelve Kingdoms
9

「十二国記」〜どこかに実在するのでは?と信じてしまうリアルなファンタジー世界〜

「十二国記」は、小説家・小野不由美さんの代表作のひとつで、2002年にアニメ化されました。私たちの世界と隣り合わせで存在する中華風のファンタジー世界。そこに現代日本から迷い込んでしまった「陽子」という少女の成長物語です。
言葉も通じない異世界に、体ひとつで投げ出された陽子は、悪人にだまされてひどい目に合ったり、逆に人々の温情にふれて心を開いたりしながら、霊獣「麒麟」に選ばれた王によって統治される国で力強く生きていきます。
最終的に陽子は王となって、十二の王国のうちのひとつの国を統治することになります。
運命に翻弄され、さんざん文句を言って悩む陽子や、陽子を助けてくれるネズミの姿をした獣、そして陽子を王に選んだ麒麟など、感情移入できそうな登場人物がたくさん出てきます。生きている人々すべてにリアリティがあり、今日も遠いどこかで、陽子たちが奮闘している息吹を感じることができます。
原作は1991年から続いている壮大な物語で、アニメ版はその中の二つのエピソードを軸に展開していきますが、原作と異なる設定になっている部分がありました。終わってみれば納得できる設定変更でしたが、原作の展開が好きだったため、マイナス1点で評価を9としました。