満点計測が想定外が故の0点表示
中学の時にたまたま手に取り読み進め、大切な事をたくさん学んだ漫画です。漫画の題材は体操ですが、主人公の藤巻が体操を楽しむという事を忘れないからこそ成長を続けていく姿に胸を打たれます。全く別のスポーツの部活を当時自分はやっており、試合になると緊張してしまい実力の半分も出せないなんてあるあるな事をちゃんとやってました。そんな折、この漫画に出会いそもそも好きで始めた部活なんだからまずは楽しむべきというマインドから好転して実績も積めたのはとても良い思い出です。
この漫画の凄いところは野球やサッカーと比較するとかなりニッチなテーマの体操を扱っています。にも関わらず、読み終えた頃には体操というスポーツの魅力に気付かされ、それまでは見もしなかったオリンピックを体操見たさに夜中まで見るほどでした。
そろそろレビュータイトルに触れますが、中学生時代から紆余曲折を経て晴れて藤巻はオリンピックへ出場する事となります。(手元に漫画がないので朧げですが、確か大学1年とかだったかな?)前人未到の自身のオリジナル技まで繰り出す姿に楽しい体操をモットーに仲間達と成長し続けた藤巻がとうとうピークに達し、得意種目である鉄棒でなんと…0点を叩き出します。
ライバル国に逆転して金メダルを得る為に、前人未到のオリジナル技である4回宙の降り技まで繰り出して着地もビタで決めたのに...。メダル争いのなか実況や仲間達も唖然とします。頭の中で混乱がグルグル駆け回ったとき、皆が気付きます。現代体操において10点満点(当時の採点方式)が出る事を想定しておらず9点台までしか表示できない仕様だったのです。結果としてありえないと考えられていた満点を叩き出し、藤巻駿は日本を金メダルへ導きます。
どうですか?このシーンを想像しただけでも読みたくなりませんか?笑
スポーツだけでなく、社会に出ても通じる何事も楽しむというポジティブなマインドは下手な自己啓発本よりもよほど効果的だと思います。是非1度は読んでいただきたい私のおすすめの1冊です。