コーヒーが冷めないうちに

コーヒーが冷めないうちに

『コーヒーが冷めないうちに』とは日本の映画作品である。小説『コーヒーが冷めないうちに』『この嘘がばれないうちに』を原作として作られた。
喫茶店の店員である数を演じる有村架純を主演として、2018年に公開された。全国307スクリーンで上映され、興行収入は2億円を超えた。
とある喫茶店を舞台としており、自分が戻りたい過去に戻ることができるという内容である。1杯のコーヒーが冷めるまでの間だけ、過去に戻ることができる。冷める前に飲み干さなければ、現実に帰って来ることができなくなる。
この作品は4つのストーリーから構成されており、恋人、夫婦、姉妹、親子がテーマとなっている。登場人物たちは、喫茶店を訪れ過去に戻り、会いたい人に会うことで、大切なことに気付いていく。
「4回泣ける」と言われているこの作品は、それぞれのストーリーの中に泣けるポイントが散りばめられている。そして最後のエピソードでは、特定の席に座り続ける女性の正体と、数をめぐる意外な過去が明らかになる。

adumina46のレビュー・評価・感想

コーヒーが冷めないうちに
9

「今日から毎日大切にしよう」と心を改めたくなる感動作品

タイムスリップ系のファンタジー映画が好きな方にオススメな作品です。
舞台は1件の喫茶店。その喫茶店には過去にタイムスリップできるという都市伝説があるのですが、その都市伝説を体験するためには、店を訪れるだけでなく、いくつかの条件が必要であるそう。そしてその条件を満たしたとしても、タイムスリップできるのはコーヒーが冷めないあいだのわずか数分だけというのです。この設定だけでも、「これから何が起きるのか?」と、とても興味をそそることでしょう。コーヒーが冷めないうちの、ほんの数分過去に戻ることで何ができるのか、とても気になるところです。
1つの映画の中に数組のお客さんたちの日常の一コマを題材としていて、どの会話も実際に喫茶店などにいて耳をすませば聴こえてきそうな、ありきたりの日常会話ばかり。しかし、その条件を満たした数組のお客さんの、わずか数分のやりとりが、私たち映画を観る者の心を揺さぶる力があります。
そして1組のお客さんの物語が終わるたびに心があたたまり、その1組のお客さんをなぜか不思議と応援したくなってしまう気持ちになるのです。
コーヒーが冷めないほどの数分の都市伝説体験では、過去は変えられない。でも私たちにはコーヒーが冷めないうちの数分ではなく、たくさんの時間が与えられています。
その時間を大切にしなければいけないと思わせる説得力がある映画だと思いました。