堂島の龍、真の最終章
『龍が如く』シリーズ、8番目の作品。前作の7から主人公が変わり、戦闘システムもRPG方式になった事により、多くの賛否を生んだわけだわけだが、今作もRPG形式、主人公・春日一番が継続している。
そもそもこのシリーズは、現実と時系列がリンクしている作品であるため、これまで『龍が如く』を支えてきた伝説的主人公、桐生一馬の高齢化による引退という壁と向き合い続けてきた。今作は、そんな桐生一馬がプレイアブルキャラクターとして復活ということで、嬉しさを感じると共に、納得のいく引退になるのか、ファンに迎合しすぎているのではないかという不安があったが、プレイ後、そんな心配は杞憂だった事を思い知らされた。
まずゲームシステムについてだが、前作、問題があった戦闘難易度のバランスがしっかりと調整。戦闘が分かりやすくなり、戦略性が追加された事によりコマンド性バトルの面白さが格段に増している。前作から続くジョブシステム、各スキルの特徴もしっかりと活かされるようになっており、RPGファンが求めるキャラクターを成長させる面白さをしっかりと感じる事ができた。
シナリオは、ハワイを拠点とする春日パーティーと、日本を拠点とする桐生パーティーそれぞれの視点で進んでいく、『龍が如く』らしい壮大な内容のものとなっている。特に桐生一馬側のシナリオは、彼の引退に向け、心の準備をしっかりとさせてくれる内容で、過去作の登場キャラも続々と登場。シリーズをプレイした事があるなら、喜びを感じずにはいられないだろう。
新規キャラクター達の魅力もバッチリ。前作から続投しているキャラクター達もより深堀りされている。『龍が如く』ファンならば、プレイすべき作品に仕上がっていると思う。