JUDGE EYES:死神の遺言 / ジャッジアイズ:死神の遺言

JUDGE EYES:死神の遺言 / ジャッジアイズ:死神の遺言

『JUDGE EYES:死神の遺言』とは、2018年に発売されたリーガルサスペンス巨編のコンシューマーゲームである。本ゲームは、極道モノのアクションアドベンチャーゲームとして地位を築いている『龍が如く』シリーズ初の派生作品でもある。
主役は木村拓哉が務める。舞台は『龍が如く』でお馴染みの「神室町」で、関東一帯を束ねるヤクザ「東城会」の人間も登場する。猟奇殺人や、現代の日本の課題である「認知症」がテーマとなり、ストーリーを展開していく。

maaarie2のレビュー・評価・感想

JUDGE EYES:死神の遺言 / ジャッジアイズ:死神の遺言
10

主人公がどんどん木村拓哉に見えなくなっていく!

「龍が如くシリーズ」で有名な龍が如くスタジオが作りだしたシリーズ。このゲームは何よりも主人公に木村拓哉を採用したことが話題となった。あの木村拓哉をゲームで操作できるということで、一部では「キムタクが如く」という呼ばれ方もしていた。その木村拓哉が演じる元弁護士であり私立探偵である八神隆之が主人公であり、「龍が如く」でもおなじみの神室町で巻き起こる連続殺人事件をきっかけに、かつて弁護士時代に担当した事件に深く関わる陰謀に直面していくストーリーである。大きな謎と様々な人間関係が生み出す重厚な物語として評価が高いゲームである。
アクションゲームとしても優秀で、バトルアクションは爽快でありながら誰にでも簡単に出来るので、「龍が如くシリーズ」に馴染みがなかった女性も気軽にプレイできるのも長所である。その他に「龍が如く」でもおなじみであるサブストーリーやミニゲームを含めた豊富な遊び要素が今作でも数多く、今まで培ってきたゲームクオリティがこれでもかと発揮されていて、正にこの街で生きているような感覚をプレイヤーは味わうことができる。
そして八神隆之を操作していくとこの主人公は木村拓哉ではなく、八神隆之という彼自身の個性を持ったキャラクターだということをプレイヤーは感じてくるのだ。もちろん木村拓哉ならではの雰囲気はあるのだが、いつしか木村拓哉という色眼鏡から外れた八神隆之というキャラクターの魅力に飲み込まれていく。世間の一部では、木村拓哉が演じると何でも木村拓哉になってしまうと揶揄されていることがある。だがこのゲームに関してはまったくの的外れである。八神隆之という神室町で必死に生きる1人の男の姿が目の前の画面の中にあり、木村拓哉がそのキャラクターの魅力を必死に作り上げているのだ。元々このゲームスタジオの作品は多くの有名俳優を起用していることが特徴ではあるが、TVドラマや映画とはまた一味違う姿を見せてくれていた。今作も木村拓哉が主人公という話題性が先行していたが、決してそこだけに依存していないと感じさせるクオリティを誇り、それでいて新しい木村拓哉というものを見せてくれた素晴らしいゲームである。