毎話泣いた作品は初めて
主人公キマリみたいな「何かしたい」という感情を抱く人はきっと多いと思う。そんなキマリがあるきっかけで「しらせ・ひなた・ゆづき」の三人の少女と共に南極を目指すことになる壮大な青春物語である。
なかなか一歩が踏み出せないキマリが、たまたましらせという女子生徒に出会い、南極で行方不明になっている母親がいて自ら赴いて探しに行くところからキマリも勢いで共に行くことになる。その最中にひなたとゆづきとも出会い四人で南極を目指すことになる。
「まだ子供だから連れていけない」という大きな壁が始めにあったが彼女たちはある機転でその壁をクリアし、それからも様々なアクシデントを乗り越えていく。
そして共に旅をすると同時にこの四人の少女はそれぞれ辛く苦しい事情があることが分かり、それが物語をもっと深く掘り下げていく。けれどもテンポが非常に良くコメディも所々に入れたりしていていつまでも負の部分に浸かっていることはなく大体が明るい雰囲気であり、むしろ話の最後はスカっとする展開が多い。そして音楽も演出も素晴らしい。
レビュータイトルに「泣いた」という個人的な感情を入れたが、毎話毎話がとにかく濃いので様々な感情が湧き上がってくる。私としては長らく南極で行方不明だったしらせの母の死をああいう風に表現したのは凄いとしかいいようが無かった。
もし「なにかしたいけど…」という戸惑った気持ちがあれば、このアニメはそんな人の背中を軽く押してくれるのではないかとも思う。
最後に、脚本も作画も気合を入れていたので圧倒されたが「 文部科学省、国立極地研究所、海上自衛隊、SHIRASE5002(一財)WNI気象文化創造センター」等、凄い人々の協力の下で行われていたということで納得した。