今までのミステリー漫画や推理探偵物とはちょっと違う切り込み方の作品
SNSの広告で無料版が気になって読み始めたことをきっかけに、単行本を購入して読むようになりました。元々ミステリー物の漫画やドラマ、小説が好きな私がこの漫画にハマった理由はいくつかあるんですが、まずは主人公久能整くんのキャラクターです。すごく独特な性格で、多分身近にいたら仲良くなりたくないタイプの人なんですが、洞察力が鋭くて、人の間違いやちょっとした迷いなんかにも「気づける人」なんです。その洞察力でどんどん事件を解決していくんですが、久能くんの発する言葉も魅力的で、読んでいて引き込まれました。久能くんと関わるキャラクター達も久能くんの言葉に気付かされ、救われていくストーリー展開が本当に素敵です。
この作品にハマった理由2つ目がまさに久能くんの「言葉」。1巻で出てきて特に印象に残った言葉が「反抗期の娘さんがお父さんの匂いを嫌がるのは正しく育っている証拠です」というお話で、我が家にも中学生の娘がいるのですごく納得してしまいました。久能くんは洞察力が鋭いだけでなく、相手の立場に立って考えることができる人なんです。「真実は人の数だけある」と言う言葉もすごく印象に残っていて、立場や見ている角度が違えば、真実の見え方も違うという考えで「真実はいつもひとつ」だと思っていた私にとっては度肝を抜かれる、そんな感覚を覚えた作品でした。
ミステリー好きな方はもちろん、そうでない方にもきっと刺さる言葉がある作品だと思うので、読んでみてください。