あたたかい気持ちになる映画!松村北斗推しの方以外でも心に残る作品
パニック障害の山添くん(松村北斗)と、月経前症候群(PMS)に悩まされる藤沢さん(上白石萌音)が主人公となる物語。
現代社会で耳にすることも多い病名をもつ2人が、会社の同僚という関係性にプラスしてお互いが特別な存在になっていく様子が心地良い。
症状はどうにもならなくても、相手を助けるために2人はおせっかいを焼き始める。藤沢のおせっかいは「そこまでする?!」と思うような強引にも見える内容ではあったが、その強引さに山添が助けられる。山添は藤沢をよく観ていて、藤沢のPMSの症状が出る前に彼なりの方法で助けている。どちらも器用とはいえないやり方には見えるから微笑ましく面白い。
当人同士のやり取りだけでなく、周りの人々もあたたかい。職場の社長の栗田や、山添の元上司の辻本を見ていると「こんな優しいあたたかい社会になるといいな」と思えてくる。そんな社長や辻本も辛い過去を経験している。人は何か辛い経験があるからこそ、そこから人に対して優しくなれるのではないかと考えさせられた。
また、この映画の不思議なところは、良い意味でリアリティがあるところだ。作中では登場人物についての説明はあまりない。それでもリアルにその人について分かったような気がしてしまうのが不思議だ。この映画の制作では監督が登場人物それぞれのプロフィールを事細かに書いて俳優に渡しているのだそうだ。「そこまでするのか!」と思うが、そこまでしないとここまでのリアリティさは出てこなかったのではないかと思う。私は松村北斗推しなので映画館で観たが、Netflixでも観られるようになったようなので、是非おすすめしたい。北斗推しでなくても。