コロナ禍に放送されたことが図らずもタイムリーになってしまったシリーズ第17作
コロナ禍の影響で予定より1か月伸び、2020年2月から2021年2月に放送されたプリキュアシリーズ第17作目。地球を蝕もうとするビョーゲンズと戦うプリキュアの姿を描く物語です。
本作は医療をテーマとしており、プリキュアは医者がモチーフ、敵は病原菌に例えるなど医療関係のイメージになっていています。主人公が元々病弱だった云々の設定(中盤で実はビョーゲンズに感染されていたという後付け設定が出てきますが)にもそれらが表されていて、町の名前がすこやか市なのもテーマを反映している印象です。2020年以降の所謂「令和プリキュア」に入ってから、街のネーミングが段々アバウトになっていってるのもどうかと思いますが。
本作が放送された2020年に新型コロナウィルスの感染拡大が起こり、図らずもタイムリーな作品となってしまいました。放映休止期間を挟まざるを得なくなり、期間が1か月伸びてしまうというアクシデントが起きてしまうという意味でも印象的な作品でした。
こうした事情から同情してしまう作品になりそうですが、終盤敵幹部が助けを求めたところを主人公が見捨てる描写が炎上騒ぎに。相手は同情の余地のない外道ではあったものの、なまじビジュアルがイケメンだったからか、また保身に走ってプリキュアと正面から戦って倒す云々とかではなくプリキュアが悪く見えるような描写にされていて、どうかと思いました。また、最終話において助けた先の妖精達の世界がそれまで全く触れなかった人間も地球を蝕んでいる云々言い出し、下手をすれば人間と敵対するかもしれないというあまりにも後味の悪い幕引きでした。
全体的に辛気臭い作風でお世辞にも楽しめる作風には感じられませんでした。