翔んで埼玉(映画) / Fly Me to the Saitama

翔んで埼玉(映画) / Fly Me to the Saitama

『翔んで埼玉』とは、魔夜峰央によるギャグ漫画作品、およびそれを原作としたコメディ映画作品である。。二階堂ふみやGACKTを始め、豪華なキャスト陣が本気でふざけた内容が大きな話題となる。埼玉県民が東京都民に虐げられてきた架空の世界が舞台となり、埼玉解放を求めて他の県を巻き込みながら全面戦争へと発展していく。

go-1135180154593152659352のレビュー・評価・感想

翔んで埼玉(映画) / Fly Me to the Saitama
10

時代が追いついた名作(迷作)埼玉ディス映画

『パタリロ』の魔夜峰央先生のギャグ漫画が原作で、日本アカデミー賞を受賞したコメディー映画。
東京都民に虐げられ続ける埼玉県民を解放するため、埼玉解放戦線のメンバーの麻実麗(GACKT)が立ち上がり革命を起こすという荒唐無稽なストーリーだ。麗は「港区出身でアメリカに留学していた帰国子女」と経歴ロンダリングをして都内の名門校に潜入し、都知事の息子・百美(二階堂ふみ)と禁断の恋に落ちる。ふたりの愛の逃避行と革命運動がリンクし、千葉、北関東3県も巻き込みながら、物語は新宿都庁でクライマックスを迎える。
原作は80年代に描かれた未完の作品で、映画後半はオリジナルストーリーで進んでいく。連載時に映像化していたら「悪口だ!」「不謹慎だ!」と大炎上しそうだが、現代では埼玉イジリはラップバトルでおなじみの「ディス」として評価された。ディスの後ろにはリスペクトがある、と好意的に受け入れられ映画は大ヒットしたのだ。
さらにギャグ漫画的な大げさな表現をマイルドにするために、メインストーリーは「NACK5で放送されたラジオドラマ」という劇中劇の形で進んでいく。絶妙なタイミングで現代の埼玉に場面が変わるのが、脳のクールダウンに一役買っている。
不思議なことに、観終わったあとに心に何も残らない。問題提起や複線回収、深読み、裏設定など、小難しいことを考える気にならないのだ。まさにそのへんで買った菓子でも食いながら肩の力を抜いて観るのにちょうどいい痛快娯楽映画といえる。