高校生の青春と甘酸っぱい恋心
スポーツ、そして恋愛というジャンルを掛け持っている漫画である。主人公、猪股大喜は高校に進学しバドミントン部に入部する。誰よりも上手くなりたい、そう思うのはスポーツに励んでいる者全てなのかもしれないが、思うことと実践出来るかは別の話だ。
バドミントンは1人でするスポーツ。勝ったらそれは全て自分の実力で、負けたら自分の実力不足。至って簡単な話である。だが孤独なスポーツでは無い。応援してくれる仲間がいる。切磋琢磨してくれる人がいる。自分を突き動かす人がいる。それが主人公にとっては、1学年上のバスケ部の先輩・鹿野千夏だった。
部活は違うが、共にスポーツに紳士に取り組むということに関しては同じ。同じ学年でもない、同じ部活でもない。それなのに何故か惹かれ合う2人。距離が離れていてもどかしい。そんな時にとある事が起き、グッと距離が縮み話す機会が増えた。
他のスポーツ漫画と違うことは恋愛要素が濃いこと。他の恋愛漫画と違うことは恋愛にかまけてスポーツを疎かにしないこと。この絶妙なバランスが読者の心を見事に掴んでいる。そして何より展開が早く読者も飽きたと言った感情や、「まだかよー」といった感情は湧いてこない。是非1巻だけは読んで欲しい。読んだらきっと、2巻にも手を出してしまうだろう。