クリープハイプ / CreepHyp

クリープハイプとは、日本の4人組ロックバンド。メンバーはヴォーカル・尾崎世界観、ギター・小川幸慈、ベース・長谷川カオナシ、ドラム・小泉拓。
2001年に結成。結成当時は3人組バンドとして活動していた。頻繁にメンバー加入と脱退を繰り返しており、一時期はヴォーカルの尾崎世界観のソロプロジェクトとして活動していた時期もあったが、2009年に2022年時点のメンバー編成である4人編成に落ち着くこととなった。
2012年に4月18日にアルバム『死ぬまで一生愛されると思ってたよ』でメジャーデビューし、初の全国ワンマンツアーを開催。
デビュー以降、ライブ活動だけではなく、企業とのコラボレーションや、映画・アニメなどへの楽曲提供を通じて知名度が向上。注目を集めている。
尾崎のつくる独特の歌詞とハイトーンボイスが人気の一因であり、前述した初の全国ワンマンツアーでも派手な装飾・演出を一切廃した殺風景な舞台に裸足で立ち、演奏する姿は観客に衝撃を与えた。
尾崎は文筆家としても活動しており、著書を7冊発表している。

asaiのレビュー・評価・感想

クリープハイプ / CreepHyp
8

メンヘラ音楽なんかじゃない

よく「クリープハイプを好きな人はメンヘラ」なんて言われます。歌詞のひねくれ具合とか、フロントマンである尾崎世界観のかなり癖のあるキャラとか、特徴のあるハイトーンボイスを「受け入れにくい」と思う人も多いみたいです。「そんな癖のあるバンドにハマって救われるなんて、ちょっと情緒が弱いんじゃないの」「ちょっと変わっていて世の中生きにくいと思っている若い子が好きなバンドでしょ」って思われることもしばしば。
でも歌詞をよく聞いてみて欲しいです。ハイトーンで絞り出されたような声で歌われる言葉は、世の中のいろんな理不尽や不条理にやっつけられないように強くなろうとすることを応援してくれて、でも弱音を吐くことも肯定してくれる。バカヤローって思いながら泣く、あの名前を付けられない感情を持つことを許してくれる。世の中全体に向けてじゃなくて、たった1人、ここにいる自分に向かって頷いてくれるような歌詞は、普段メンタル強いふりをして、「世の中こんなもんでしょ」って平気なふりして、でも本当は歯を食いしばって日常を戦っている人みんなに届くんじゃないかと思います。上手に生きるために自分の心の中で檻にしまっていた、寂しい、つらい、馬鹿にしないで、でも大好き、という複雑な感情で暴れる猛獣を放ってしまうような、檻の鍵みたいな、劇薬みたいな音楽です。
解き放つのは危険だけど、安全なままで生きるよりはいいと私は思います。