社会派ドラマ
3DCGは、世界観が広がる作品と広がらない作品とに分かれると思いますが、今作は前者のように思います。まだ見る側が慣れていないというのは、たしかにそうだと思います。
絵の場合、書き込めばモブも増えますし、背景描写も色々転換が可能ですよね。
3Dなので、描写は主に幼稚園と家と戦う場所の3パターンになってしまい、ゲームのようなステージ感がどうしても出てきてしまいます。
そうすると、クレヨンしんちゃんのゴタゴタ感とゆるさが減って、すっきりとまとまってしまっているように思えます。
今回の敵は非理谷充(ひりやみつる)。就活をしない人、社会でうまくいかない人というカテゴリと、アイドルファンというカテゴリを掛け合わせた陰キャの呼び方「非リア充」が名前の由来のキャラクターです。
ミツル君がどうして非リア、つまり陰キャになってしまったのかに着目して、しんのすけがセラピストのように介入します。ユング的ですね。
その結果、過去のわだかまりがとれて、ミツル君は陽キャにはならないけど普通の青年に戻っていく、という少しほのぼのとした作品です。
ノストラダムスとか超能力とかよくわからないものと、陰キャ陽キャここではリア充非リア充と社会的なテーマとがうまく混ざり合いとなり、確かに、「こんなしんちゃん、見たことない」作品になっています。