少年誌の歴史に名を刻んだ史上最高のダークファンタジー漫画
巨人がすべてを支配する世界の中、巨人の餌と化した人類は巨大な壁を築き、壁外への自由と引き換えに侵略を防いでいた。自身が置かれる不自由な環境に歯がゆさを感じながら生きる主人公エレン・イエーガー。だが、名ばかりの平和はある日突然終わりを告げた。それは、壁を越える超大型巨人の出現であった。謎の超大型巨人により壁は崩れ、絶望の戦いが始まってしまう。
「巨人に人間が立ち向かう物語」のアクションバトル漫画と思いきや、重厚なヒューマンドラマのような濃い内容だ。
中でも、ご都合で路線変更した訳ではなく露骨な後付けもなく初期から構想してたかのような伏線回収やどんでん返しの衝撃度は抜きん出ている。
しかもひとつやふたつじゃなく、何重にも伏線が張り巡らされている上に、真相が明らかになると根底から世界観が覆るような種明かしが幾つもあって、その都度度肝を抜かれること間違いなしなのだ。複数回鑑賞する価値のある、傑作である。
過去の台詞を過去で終わらせず後の話に活かすことが作者は異常レベルで上手いので、それが確かな読み応えへと繋がる。
人類の普遍性と争いが起きるメカニズムを奥深く仕上げたフィクションにハラハラドキドキ、でも感動する最高のひと時を味わえることだろう。