ド迫力のCGとハリウッド的王道ストーリー
ジャックと天空の巨人は、珠玉の映像作品として楽しめる。流石ハリウッドというべきか、CGのクオリティはかなり高い。巨人一人一人が細部まで描写され、人間との戦いにちゃちな印象を与えない。「本当にいるのでは?」と思わせるリアリティが徹底的に追及されている。
戦闘シーンはダイナミックで、手に汗握る緊張感を求める人にはまさにうってつけ。人間の死ぬシーンはあるものの、スプラッター的描写は巧みに回避され、無論それを求める人にとってはいささか物足りないかもしれないが、家族やカップルで不快にならず楽しめるというのは評価したい。
ストーリーはいかにもな王道で、そういった展開が嫌いな人は受け付けないだろう。しかし王道を観たいという層も少なからずいるだろうから、流麗なCGによる巨人たちと端正な顔立ちの主人公、ヒロイン、そしてユアン・マクレガー演じる騎士団長の登場する王道展開のセットと考えれば、個人的には見て良かったと思える映画だった。
原典であるところの「ジャックと豆の木」要素がほぼ皆無という欠点はあるにしろ、作品自体のスケールと映像美に圧倒されることで、別段気になりはしなかった。「ジャックと豆の木」のリメイクであることを期待している方は、その点だけは留意いただきたい。