若者におすすめの戦争映画
戦争の残酷さと、日常にひそむ幸せや命の尊さについて考えさせられる映画でした。戦争時代の特攻隊の話という点では特別感はありませんでしたが、それに加えて、現代の高校生がタイムスリップするところに、いつもとは違う面白さを感じます。「お国のために命を捧げる」という戦争時代の考えと、「戦争で日本は負ける」「命を無駄にするべきではない」という現代の考えがぶつかることが多くあり、逆らうことができないその時代の価値観に、なんとも言えない悲しさが込み上げます。特攻隊員の1人が決戦の前日に脱走しようとし、他の隊員から引き止められるシーンでは、戦争時代であっても、愛する家族とともに生きたいという気持ちとの葛藤が描かれています。しかし、悲しいシーンだけではなく、主人公以外の恋愛模様や特攻隊員同士の絆など心温まるシーンが散りばめられていて、飽きることなく見続けることができます。クライマックスは予測可能ではありましたが、共に生きることができなかった主人公と特攻隊員の男性との結末は、涙なしには見れませんでした。現代の高校生が主人公ということもあり、若者にとってはわかりやすい描写が多く、見やすくまとまっています。戦時中の暮らしや考え方、特攻隊としてお国のために命を落とした若者がいたことなど戦争について考える良いきっかけになる映画です。