森山直太朗

森山直太朗

森山直太朗(もりやまなおたろう)とは、日本のシンガーソングライターである。母は歌手の森山良子。
少年の頃からサッカーに打ち込む日々を送るが、大学生になるとギターを始め、本格的に音楽に取り組み、曲づくりを行う。2002年、ミニアルバム『乾いた唄は魚の餌にちょうどいい』でメジャーデビューを果たす。
2003年、セカンドシングル『さくら(独唱)』が大ヒット。その名を全国に広めるとともに、同曲は桜ソングや卒業ソングを代表する楽曲となった。同年、『第54回NHK紅白歌合戦』に初出場。
2008年、「第50回日本レコード大賞」にて「生きてることが辛いなら」が作詞賞を受賞。同曲の歌詞は出だしが衝撃的であり、大きな話題となった。
2010年に公開された映画『真幸くあらば』では、自身が楽曲を提供するだけではなく、音楽監督としても参加した。2015年から2016年にかけて半年間、活動を休止した。2018年には、作曲家でありピアニストでもある平井真美子と結婚。2020年にはNHK土曜ドラマ『心の傷を癒すということ』やNHK連続テレビ小説『エール』に俳優として出演した。

mi_3_3_aのレビュー・評価・感想

森山直太朗
10

自分がどう生きるべきかを問いかけてくれるアーティスト

「うんこ」という曲にも代表されるように、森山直太朗は人間を唄うアーティストです。J-popシーンで活躍するほとんどのアーティストがラブソングを中心に楽曲を発表し続ける中、彼が唄うのは人間の心。移り変わる時代や置かれた環境下で、自分はどう生きるべきかを、彼の曲は常に問いかけてくれます。例えば冒頭で触れた「うんこ」という楽曲では、自分の体から出たものを嫌悪することに対する人間の矛盾を唄っていますし、「群青」という楽曲では、知識を与えてくれるAIアシスタントに今の気分を問いかけ、人生の答えの在処を唄っています。
また、歌詞に当てがう言葉も非常に美しく、その繊細な言葉遣いが表現に更なる深みを与えています。例えば、彼の最も有名な楽曲「さくら」では、〝惜別の時〟という歌詞が出てきます。〝惜別〟はその言葉通り「別れが惜しい」という意味ですが、ただ「別れが惜しい」と伝えるよりも、言葉に想いの深さや強さを感じることができます。一般的に使われる言葉より一回りも二回りも趣きある言葉を当てがうことで、より深い感情を味わえる表現となっています。更には、歌唱力でもその他のアーティストから抜きん出ており、彼の歌唱映像にさまざまな外国人YouTuberが激しいリアクションを重ねて動画を出しております。作詞作曲の表現力のみならず、歌唱の表現力も群を抜いているアーティスト、森山直太朗の楽曲に少しでも触れてくださると幸いです。