カレイドスター / Kaleido Star

『カレイドスター』は、佐藤順一、平池芳正が脚本を担当した日本の少女アニメである。2003年4月3日〜2004年3月27日にテレビ東京にて放送され、アメリカのサーカス公演が舞台である。全51話で構成されており、第27~51話の後半部にはタイトルに「新たなる翼」というタイトルテーマが追加されている。
日本から単身でアメリカにやってきた主人公16歳の少女苗木野そらがサーカス場であるカレイドステージでのスターを目指し、技の取得や舞台公演に向けた様々な困難や試練を奮闘する模様が描かれている。登場人物は女性が多く、少女アニメにしては珍しいスポ根要素が取り入れられている。
物語序盤は、カレイドステージの看板役者であったレイラ・ハミルトンが日々苗木野そらの目標として立ちはだかる。物語の後半は、新たにカレイドステージに入団してきたレオン・オズワルド、メイ・ウォンの登場もあり、真のカレイドスターとは何かを問いながら成長していく。
各話毎に、ステージの精霊であるフールが登場し、そらにタロットを使った占いをして物語の行く末を占う様子が描かれている。毎回セクハラな発言や行動をしてそらに無下に扱われるのがお決まりのパターンである。

go-1013212949277061719464のレビュー・評価・感想

カレイドスター / Kaleido Star
10

主人公の成長に思わず涙するサーカスアニメの金字塔

『カレイドスター』は2003年から2004年にかけて放映されたサーカスを題材にしたアニメ。主人公・苗木野そらが架空のエンターテインメント集団カレイドステージに入団し、トップスター(=カレイドスター)を目指していく物語である。
カレイドステージとは、サーカス、ミュージカル、手品などを複合した総合エンタメ集団。シルクドソレイユがモデルとなっている。

本作の面白さは数多くあるが、ここでは主人公・苗木野そらの魅力に絞って紹介していく。
そらは、明るく前向きに夢を目指して頑張っていくキャラクターだ。そんな姿に、最初はそらに冷たかったキャラクター達も、次第に影響を受けていく。
しかも、単に明るいキャラクターというだけではなく、落ち込んだり悩んだりすることも多く、そこからの成長をきちんと描くことによって、より感情移入しやすいキャラクターになっている。
たとえば、そらの実の両親はすでに亡くなっており、親戚に引き取られていて暮らしてきたという背景を持っている。
そこでの生活はとても幸せで両親も非常に良い人なのだが、だからこそ起きるすれ違いなんかも本作ではきちんと描き、そらという人物の成長につなげている。

また、本作は大きく26話までの前編とそれ以降の後編に分けられるのだが、26話の時点で、そらは当初の目標をほとんど達成してしまうことが物語上の大きなポイントである。主演として憧れの人物と競演し、幻の大技と呼ばれる演目を大成功で終わらせる。26話の時点で終わってもサクセスストーリーとして名作と呼べる出来となっているのだ。
だが、カレイドスターは、27話以降1度トップまで上り詰めたそらを、どん底に叩き落す。
新たに登場したライバルキャラに主演の座を奪われる、カレイドステージから退団する、などの話を通して、そらに自分の演技とは何なのかを徹底的に考えさせる。
そして、最終的にそらが導き出した答えは、悩みぬいて出した「そらの答え」として物語の最終話で花開く。その結末は非常に美しく、感動する。
全51話と少し長い作品だが、ぜひ見てほしいアニメである。