ALWAYS 三丁目の夕日

ALWAYS 三丁目の夕日

『ALWAY S三丁目の夕日』とは漫画家・西岸良平の『三丁目の夕日』を原作とし、山崎貴を監督に迎え2005年に公開された実写映画である。キャッチコピーは「携帯もパソコンもTVもなかったのに、どうしてあんなに楽しかったのだろう。」であり、娯楽が少なかった昭和の時代を描き、当時の生活や人情の深さが見事に表現されている。2006年には第29回日本アカデミー賞を受賞するなど高い評価を受けた作品である。

chiaki99のレビュー・評価・感想

ALWAYS 三丁目の夕日
8

その時代を生きてなくても感じる懐かしさ

2005年に公開された、戦後復興で活気を取り戻しつつある時代の日本を描いた作品です。
地方からの集団就職や東京タワーの建設など、昭和生まれとはいえ平成に近いようなときに生まれた私には全く馴染みがない事柄にもかかわらず、どこか懐かしさを与えてくれる素敵な映画だと思っています。
昭和・平成・令和と、時代が移るにつれ様々なものが移り変わり、東京タワーよりもスカイツリー、ご近所付き合いよりSNSを通じた顔も知らない関係性の構築など、ここ数十年の進化は留まる事を知りません。
確かに便利になった事も沢山ありますし、多様性の時代という事で昭和の時には異質なものとして受け入れられなかった事が少しずつ受け入れられつつあるのかな、という素晴らしい事も沢山ある現代ですが、戦後復興時代の昭和の持つパワーのようなものは令和の今あまり感じる事は出来ていないような気がしていて。自宅にテレビが届いたと、近所の方が手土産片手に集まりお祭り騒ぎで楽しんだり、学校から帰ってきた子供がランドセルを放り出して遊びに行く姿が、なんだかひどく心に迫ります。
「明日も明後日もその先も、ずっと夕日は綺麗だよ」という言葉の「その先」にいる私たちは、夕日をゆっくり見る時間をどれくらいの人が取れているのでしょうか。

深呼吸したくなる、会いに行きたくなるキャラクターが沢山の『ALWAYS 三丁目の夕日』。
気持ちが少し疲れている時に見ると、笑って笑ってほんの少しだけしんみりして、そしてまた明日頑張ろうと思える作品です。